みなさん、お久しぶりのブログ更新となりました。すっかり季節も秋に近づき、あちらこちらで稲刈りも始まってきました。
6月定例会一般質問で東北中央自動車道の開通に関連して様々質問をしたところではありますが、この度、11月4日に東北中央自動車道米沢北IC〜福島大笹生IC(延長35.6km)が開通する運びとなりました。開通後は、福島市役所~米沢市役所間の所要時間が、現在の国道13号経由の約60分から、約40分に短縮される見込みです。
また、本市でも物流面や交流人口の拡大が期待されている一方で、人口や、若者の流出も懸念されています。これらに歯止めをかけるために、市として、議員としても様々対策や政策を講じて行くよう努めてまいります。
資料:国土交通省福島河川国道事務所より
直轄道路で建設!開通後は無料
皆様によく聞かれることが、「開通後は無料なの?なんで?」とお問い合わせいただくことが多々あります。実は、今回開通する区間は、国、県などが負担する直轄道路として整備が進められているため、開通後は無料開放される道路となっています。県内でも日本海東北自動車道あつみ温泉IC〜鶴岡西ICまでが無料で開通しています。
そのほかには、高速道路会社(各NEXCO)によって整備される区間は、有料方式(米沢南陽道路等)によって建設されるため、通行料金が発生してきます。将来的には減価償却後は、無料化するということが前提で作られていますが、維持費面でその見通しはまだまだ先になることと思います。
米沢南陽区間を無料開放で環状線形成
本題となりますが、今回東北中央自動車道について提案したいことをまとめさせていただきます。
置賜地域では、現在、東北中央自動車道を起点に、国道287号米沢北バイパス〜川西バイパスや国道113号梨郷道路などのバイパス整備(高規格道路)による、高速交通ネットワークが進められています。概ね、置賜の各自治体を30分以内で結ぶことを目標としているようですが、その進捗率はまだまだ低い状況で、ほとんどは整備前の調査区間となっている現状です。
資料: 置賜総合開発協議会
ですが、長井南バイパスや赤湯バイパスにように開通した区間(線)もあり、徐々に線で結ばれてきています。
注目していただきたいのが下記のところです。
米沢、高畠、南陽、川西で綺麗に円ができているのがわかります。
道路で言えば首都高速や外環道、鉄道で言えば山手線のように、これらのバイパスを結ぶことによって、置賜の環状線を作ることができます。
環状線 首都高速環状線
国道13号は物流以外にも私たちの生活道路としてとしても利用されています。しかし、冬期間や朝夕など恒常的に渋滞が発生しており、道路としては貧弱な部分も大きいです。
ちなみに、民主党政権時において、高速道路無料化の社会実験が行われました。その際、東北中央自動車道米沢南陽区間で、通行量が3000台から1万5000台程度まで増えました。これは国道13号のボトルネックを物語っているようにも伺えます。
こちらを無料化することで、置賜環状線を形成でき、私たちの生活道路、物流のほか、救急時の輸送面のさらなる向上につながるものだと確信しています。
米沢南陽区間の無料化への道のり
「無料にするってできるの?」と思うかもしれません。
国の政策になるため、1自治体、1議員では難しいと思います。ですが、不可能ではないと思います。
先の民主党政権時において、地域活性化を目標に、高速道路無料化の社会実験が行われたこともありました。
その際に無料化されたのは、今回無料化の提案を行なっている米沢南陽道路を含む、37路線50区間の合計1,626kmで、NEXCO3社の管理道路で、高速道路の全延長の約18%だそうです。ちなみに、かかった費用は1200億円でしたが、震災復興に回すために終了となりました。
道路によって違いはあるものの、高速道路を建設するのにかかる費用は1kmあたり、約50億円(特に山間部やトンネルの場合が高くなり、平地や非居住エリアの場合は安くなる傾向)だそうです。
米沢南陽区間は平成9年に開通しましたが、当時の工事事業費は500億円、区間は延長8.8km(全長10km)でした。基本的に高速道路は将来的に償還すれば(元が取れれば)無料開放することを目標に作られています。ただ、現状としては維持管理費なども膨らむため、その期間を延長、延長という形をとっています。
ちなみに、西吾妻有料道路(西吾妻スカイバレー)のように、償却したり、その時の判断で無料開放された道路も多数ありました。
無料化にかかる費用を算定(独論です)
単純計算にはならないと思いますが、米沢南陽区間を無料化するために計算してみました。
民主党政権時の高速道路無料化費用
費用 ÷ 総延長費用 = 1キロあたりかかる費用
1200 ÷ 1626 =0.73
米沢南陽区間の道路無料化
米沢南陽道路の延長 × 1キロあたりかかる費用 =年間費用
8.8km × 0.73 = 6.4
年間6億4000万円程度の費用が必要とのことです。
償還完了予定日が2050年なので、残りの期間をかけてみると
6.4 × 33 = 211
「211億円のお金があれば、無料にできるかもしれない」ということです。
一見高いかもしれませんが、
新直轄方式(無料の高速道路)の建設に当てはめてみると、
建設費用の分担比率は、
国 : 県
3 : 1 = 75% : 25%
なので4分の1の53億円弱。
しかも、そのうち、交付税措置されるので、ここからかなり下がるかもしれません。
米沢南陽区間の売り上げを計算
平成27年度の道路交通センサス調査によると、米沢南陽区間の通行台数は
平成27年度 2921台(24時間交通量)です。
料金が軽自動車250円、乗用車300円、大型500円ですので、
平均をそれぞれ300円、400円とした場合、
通行台数 × 料 金 × 365日 = 年間料金収入
2921 × 300 × 365 = 3億1980万円
2921 × 400 × 365 = 4億2640万円
ん?実は料金収入は思ったより少ないですね。
人件費などを差っ引くと、この区間だけだと赤字路線なのかもしれません。
実は先ほど出した無料化シミュレーションの6億4000万円は多すぎたのかもしれませんね。
乗りものニュースを参考に、もう一つ別の案でシミュレーションしてみます。
というトピックスがあります。
『高速道路をタダにするひと工夫』という中身ですが、面白いなぁと思ったのでご興味があればご覧下さい。
簡単に説明しますと、日本国内の高速道路を全部無料にすると、大渋滞が起こる区間が発生し、高速道路の機能を果たさないということです。そのため、東名高速などの主要路線に関しては、このまま有料のままで運営していくという内容です。
この料金収入だけで、先ほどあった民主党政権時の無料区間を全てタダにすることができます。
要するに、米沢南陽道路などの地方路線は料金収入が少なく、徴収しても人件費や維持管理費がかかるため、ほとんど収益に繋がらないところに焦点を当てたようです。この路線を無料にしても高速道路全体の料金収入2兆円のうち10%も減らず、18%の路線を無料にすることができます。
こういったものもあり、実際に米沢南陽道路を無料にすることは不可能ではないのかなと思います。
皆様は、いかがでしょうか?あくまでも個人的なシミュレーションとなっていますので、国、県、市で詳しく調査してみなければわかりません。ですが、実現できれば、これまで以上に近隣自治体との交流の輪、広域化を果たすことができるようになると思います。
6月定例会一般質問の様子
6月定例会の一般質問では、東北中央自動車道の開通に合わせて様々な課題と無料化をあげさせていただきましたので、ご覧いただければ幸いです。
最後になりますが、先日11月4日開通の東北中央自動車福島米沢間を走ってきました。待ちきれない方は、開通したつもりで見てみてください。笑